夜の沢
蛇と蛙を探しに夜の沢へ。
狙いはイシカワガエル(Odorrana ishikawae)と、ハブ(Protobothrops flavoviridis)。
まずやんばるに入って早早道の上に黒い影が幾つも。
始めはサツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)だと思っていたのだが、どうも挙動が変だ。
車を降りてみると全てウルシゴキブリ(Periplaneta japanna)だった。
ウルシゴキブリは別にそう珍しい種ではないが、道の、それもまだ民家周辺からすぐの場所で沢山の個体が出てきているのは初めてだ。
十数匹程捕獲した。
林道を流しつつ向かうと、道の真ん中に鎮座するアカマタ(Dinodon semicarinatum)を発見。
160cm程の大柄な個体。これくらいの大きさから表情に重厚感が出てくる気がする。
大きなアカマタは格好良いが、当然噛まれた時のダメージも甚大。特にこの個体は好戦的で何度か脚を噛まれたが、服によってなんとか防いだ。
また、車のライトにヤママユ(Antheraea yamamai)が飛来。
偶然脚に止まったので、顔を撮らせてもらった。
綺麗な雌個体。滑らかな微毛は昆虫とは思えない美しさだ。
道中で出会った生き物はこんな感じ。
そうこうしている間に沢に到着した。
沢ではヒメハブ(Ovophis okinavensis)に出会う可能性が高い。注意して進む。
入って直ぐにナミエガエル(Limnonectes namiyei)の若い個体を発見。
まだシャープな印象を受ける。
その直後に大人のナミエガエルにも会えた。
撮りづらい位置に鎮座していた為、ブレてしまう。
顔のアップ。
クリっとした目をしている。だが全体的にもったりしていて、短い手足も含めて何となく格好の付かない印象。あまり動かないので一層何を考えているのかわからない。実は沖縄本島のカエルで一番好きな種。あまり共感されたことは無い。
ナミエガエルに夢中になっていたが、その裏の木の袂にはヒメハブがいた。
小さい個体であり、長靴を履いているのでそんなに危険はない。とは言え先に気が付けて良かった。
そして沢と言えば矢張りマダラゴキブリ(Rhabdoblatta guttigera)の幼虫だろう。
今回も数頭が水際の落葉の下を駆け抜けるのを見た。沢でのフィールド観察は楽しいが、ゴキブリとなると本種とリュウキュウクチキゴキブリ(Salganea taiwanensis ryukyuanus)くらいしか安定して見られない。
後者は沢に落ちてきた朽木の中にいるのが殆どの為、実際に良く見られるのはマダラゴキブリだけと言える。
他に見られた生き物としては
サカモトサワガニ(Geothelphusa sakamotoana)
ヤンバルクロギリス(Paterdecolyus yanbarensis)
シマアカザトウムシ(Kilungius insulanus)
という感じ。これら以外にも写真には撮っていないがオキナワオオミズスマシ(Dineutus mellyi insularis)なども見られた。
夏枯れが酷く虫の姿が減る八月のやんばるだが、水際ならまだまだ沢山の生き物と出会える。