緑だが黒岩
今年もクロイワゼミ(Muda kuroiwae)の時期が来た。
今年は梅雨に雨が確り降った上、梅雨明けが宣言された後も時折強い雨が降るという気候だ。故に彼らを見られるタイミングも限られると思い、既にやや遅れていたものの急遽フィールドへ出た。
到着したのは七時前頃。日は暗くなり始め、クロイワニイニイ(Platypleura kuroiwae)やオオシマゼミ(Meimuna oshimensis)の声に混じってクロイワゼミも鳴いている。
彼らは羽化してすぐに飛び立ち木の高い所で輪唱に加わるため、盛んに鳴いている時間というのは基本的に羽化を観察するには遅刻だ。
見られたらラッキー、程度に期待せずに散策する。
この時期はリュウキュウヒメハンミョウ(Cicindela kaleea humerula)の最盛期でもある。昼行性の彼らは夕暮れ時になると各自思い思いに葉の上などで休みだすため、クロイワゼミを探していると真っ先に目につく種だ。
交尾しているリュウキュウヒメハンミョウ。
クロイワゼミの鳴き声がピークに差し掛かり、矢張り今日は遅すぎたかと諦めかけた時、漸く一匹見つけることが出来た。
既に翅が伸びきっている。周りに抜け殻も見当たらないため、かなり前に羽化してたまたままだ低位置にいた個体だろう。
いつ飛び立つとも分からないので急いで撮った。別アングルで撮ろうと移動している間に逃げられてしまったため、残念ながら樹皮の被ったこの写真のみだ。
取り敢えず観察は出来た。今回はこれでよし。