梅雨のやんばる
六月末頃、梅雨もあと少しで終わるという時期に都合が空いたのでフィールドへ。
久久の昼やんばる……と思ったのだがとんでもない大雨&濃霧。10分おきくらいにスコール。覚悟はしていたが、やはり生き物の姿は全然見えない。
見渡すと霧。これでも上が吹き抜けている分、晴れている方だ。沖縄も人の手が入る前はやんばるの山林の結構な割合が雲霧林として廻っていたのだろう。
仕方ないので雨でもまだ少しは期待出来る水生昆虫探しにシフトした。
ギンヤンマ系のヤゴ
ゲンゴロウ系の幼虫
いつ見ても珍妙な顔。
コガタノゲンゴロウ(Cybister tripunctatus orientalis)やトビイロゲンゴロウ(Cybister sugillatus)くらいはネットインしないものかと粘ってみたが、幼虫は度度入れど成虫はゼロ。
場所を変えつつ二時間ほど粘ったが断念。雨も強くなってきたので退散した。
帰りつつ、風はさほど強くないものの何か面白いものが打ち上げられていないものかと浜辺へ向かった。雨も丁度小雨になってきている。
雲が厚い。
リュウキュウフナムシ(Ligia ryukyuensis)は沢山いるが、昆虫の姿はほぼ無し。天気が良ければオキナワシロヘリハンミョウ(Callytron yuasai okinawaense)を見られたのだが。
見られた昆虫はキオビハラナガノメイガ(Tatobotys aurantialis)くらい。
波打ち際は気配が薄いので内側の海岸林で適当にアシブトメミズムシ(Nerthra macrothorax)を探す。
姿は隠していたものの、落ち葉を何枚かめくっていくと下で縮こまっていた。乾燥している時はゴキブリやハサミムシがよく見られる林であるが、雨が吹き込んだらしく彼らはいない。
あちらこちらで縮んでいるので集めて放置しておくとよちよちと、やや慌ただしく歩き出す。ブリキのおもちゃみたいでとても可愛い虫だ。
他でゴキブリを探すか、海辺で海浜性の昆虫を探すか……と暫く迷っていたが、天気予報を確認すると三十分ほどで雷雨が来るとの事。
やや不完全燃焼な気持ちを抱えて帰路に着いた。