ポリプPの飼育日記

ゴキブリを飼っている。

冬の珍客

 

部屋で作業をしているとやけに大きな羽音が聞こえてきた。

初め網を振るった時は只のニクバエだろうと思っていたのだが、どうやら見たことの無い姿をしている。
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この時期にこのサイズの双翅目はあまり見ない気がする。

調べてみるとキゴシハナアブ(Eristalinus quinquestriatus)であった。画像ではよくわからないが、左右の複眼が頭部上部で繋がっているため雄個体である。

発生時期は初夏から12月までということなので特におかしい事は無いが、しかし室内に入ってくるような虫でも無い。


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暫くプラケースに入れてゼリーを与えた後、晴れた日に逃がすこととする。

大量入荷

 

入手したのはシェルター用の紙製卵パック。

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今回は全部で52枚。隣に写っているのはデュビア(Blaptica dubia)の飼育ケースで、この卵パックを四枚使用している。

この卵パックは、土に潜る種以外は全てカバー出来ると言っても過言ではないほどにゴキブリ飼育に向いている。

加工がしやすく、水分も吸う上に軽い。また表面積の割に嵩張らないのも魅力である。自分はこれをずっと愛用している。

誤算と怠慢と慢心

 

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ジャイアントウッドローチ(Archimandrita tesselata)の飼育ケースとして使っていた衣装ケースの蓋がバッキリとひび割れた。

原因は明確で、上にデュビア(Blaptica dubia)の飼育ケースとして使っていた同型の衣装ケースを重ねていた為だ。

始め重ねた時は土が入っているジャイアントウッドローチの方が重かったのだが、どんどんと餌を加え、彼らが殖える内にデュビアのケースは既に1.8倍の重さになってしまっていたようだ。


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とりあえず両面をボンドで応急処置。

彼らは壁を登ることも飛ぶことも無く、寧ろ割れている方が乾燥して飼育は楽なのだが、だからといって放置するわけにはいかない。

別に高いものでもないが、たかがこの程度で買い換えていたら部屋が物まみれになってしまう……既にその傾向は至る所に垣間見えているが。

NG食材

 

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大根の皮と茄子の蒂部分。

何でも食べ尽くす事でお馴染みのハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea)ですら食いが悪い。

水分量としては果物にも引けを取らない為にそれなりに食べてもらえると思っていたのだが、ここまで無関心に取られるのは意外であった。消化酵素は良くなかろうと思って一晩水に晒したのだが効果は無かったのだろうか。

 

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三日後の様子。齧られてはいるが、既に一部腐敗が始まってしまっているので廃棄。

同時にジャイアントウッドローチ(Archimandrita tesselata)のケースにも入れていたのだが、こちらはほぼ手を付けられていない。

但し黴が発生しやすくなっているケースでも四日以上も元の姿を保持している所を見ると、別の活用方法もあるかもしれないと思えてきた。

ギガンテウス定期確認

 

ブラベルス・ギガンテウス(Blaberus giganteus)。デカい、がかなり小心者で小食。
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大きさの割に薄く、また軽いのでかなり貧弱な印象を受ける。
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そして刺激を与えるとなんとも言えぬ臭いを放つ。もしかすると飼育している中で最も臭いが強いかもしれない。表現するなら「饐えたネギ類」といった臭い。

サツマゴキブリテネラル

 

サツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)の羽化。
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こちらでも周りに成虫が集まっている。

 

別アングル
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ケースが擦れているため非常に見えにくいのだが、五匹の成虫が集っている。

新成虫は何か誘引する物質を放っているのだろうか?彼らは抜け殻を食べないため、其れ狙いとは考えにくい。

ユウレイゴキブリテネラル

 

ユウレイゴキブリ(Eublaberus posticus)も続続と羽化してきている。

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 個人的にはこのような羽化後二、三時間の色が最も好み。

 

今日もまた新たに羽化した個体を見かけたのだが、なんだか様子が少しおかしい。
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よく見ると翅の一部が既に齧られていた。羽化した個体が雌であるからか、或いは別の理由かはわからないがやけに周りに他の成虫が群がっている。

 


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少なくともこのままでは良いことはないと判断したので隔離。

翌日、翅が固まったので戻しました。

デュビア抱卵

 

 ふとデュビア(Blaptica dubia)のケージを見るとシェルターの上で雌が卵鞘を付けていた。

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ゴキブリは、交尾を終えると精子を受精嚢という臓器に溜めておく。その後輸卵管を通ってきた卵は受精嚢を通過する際にその蓄えられている精子によって受精し、そのまま腟前庭という部分へと辿り着く。そしてその場で幾つかの卵(種類にもよるが15〜35個ほど)が卵鞘に包まれ、体外へ排出される。

デュビアのような卵胎生のゴキブリは一旦この状態で維持し、その後卵鞘を倒してから再び腟前庭へと戻す。その後、輸卵管とは別の管を通って保育嚢という器官に収められる。仔らはそこで成熟し、孵化した後にまた上記のルートで体外へ産み落とされるのである。

画像の卵鞘は呼吸管が背からのラインに並んでいるためまだ縦であり、倒された後に体内へ収納され、凡そ2〜3週間程で孵化する。