ポリプPの飼育日記

ゴキブリを飼っている。

裏の毛深

 

2年に1度発生するケブカコフキコガネ(Tricholontha papagena)。今年はその発生しない側の年、所謂裏年というものだ。

雄が大半で雌は非常に貴重と言われるケブカコフキコガネだが、裏年だと雄すらその雌ほどの頻度でしか見つからないという。


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そんな裏年の個体を発見した。

実は同じ場所で、自分の知る限り今季既に三頭見つかっている。これで四頭目だ。

前回の表年ではかなりの個体数を確認出来た場所だから確かに環境はいいのだろうが、それにしても数が多い。おまけに、表年と比較しても発生期間が長い。

もう少し継続して調べて、取り敢えず短報で記録しておいた方がいいかもしれない。

 


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結構禿げているので、発生後期ではあるようだ。それでも去年は一月が発生の限界だったが……。

 

博物館にぶらり

 

昼に時間が空いたので八重岳に行ったのだが、突然の土砂降りと突風。止む無く頂上まで登ってそのまま降りた。

 

なんとも締まりが悪いので、たまたま目に入ったもとふ本部町立博物館へ行ってみることに。


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入館料は無料。

 

中は大きく分けて琉球文化の歴史についての部屋と沖縄の自然についての部屋の二つがある。

噂には聞いていたが、展示されている昆虫標本がかなり物凄いものだった。何とは言わないが……。

ある意味ここでしか見られない展示なので、近くに立ち寄った際には是非見てみて欲しい。度肝を抜かれると思う。

 

帰りがけに恩納村博物館にも。
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こちらは自然関連の展示は無いが、その分歴史についての展示はかなり充実している。

 

一日中雨に振り回された日だった。

藪地島をぶらぶらと

 

沖縄には海中道路という、近隣の島を繋ぐ橋があちらこちらにある。

月に一度程の頻度で陸路で繋がった島を定期的に訪れているのだが、今まで記事にしたことは無かったと思い、今回は藪地島の話をば。

 

地島うるま市無人島。海中道路勝連半島と繋がっており、近くには宮城島などがある。

 

無人島とは言え中央の道路沿いに畑が広がっており、それなりに車とすれ違う。

途中途中でめぼしい横道に入ってみるも生き物の姿は薄い。

 

結局末端のジャネー洞まで特に何も無いまま辿り着いてしまった。
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ジャネー洞はそれなりに有名なようで、たまに観光と思わしき人がいる。今日は貸切状態。

 

洞の周りには猫がかなり住み着いており、人を見ると群がってくる。
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可愛いが、複雑な気持ちだ。

去勢手術はしてあるようなのだが、藪地島の、特にジャネー洞周辺は石灰岩質な林が広がっており、ヘビやトカゲモドキなどが生息していそうな環境なので、猫が数匹住み着いているだけで捕食圧はかなりのものだろう。

写真は無いが去勢した猫が野生にいることを肯定するような看板も周囲にあり、勘弁して欲しいという気持ちが強い。

 


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因みに藪地島にはノウサギもいる。恐らくはアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)だろう。ヤブノウサギならぬヤブチノウサギというわけか。

猫がこんなに多い環境で良く住み着けるものだ。

 

今回はジャネー洞には入らず、周囲で昆虫を探して終了。鱗翅目の幼虫を数個体見ただけだった。

ジャネー洞はかなり広く、本腰を入れて探索しようとすると非常に時間がかかるだろうが生き物はあまりいない。ワラジムシの仲間とカマドウマの仲間くらいしか見ていない。

ただ、それらもまだ同定していないのでもしかしたら面白い発見があるかもしれないな、と思いつつ今回は帰路に着いた。

 

雨のクリスマス・イヴ

 

 

クリスマス・イヴ。

天気は芳しくない予報だが北部へ。

一応ケブカコフキコガネ(Tricholontha papagena)を探すのが主目的。

 

早めに出たので普段は行かない奥の方まで足を伸ばした。


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オキナワオオモリゴキブリ(Symploce gigas okinawana)

この時期はまだ幼虫も多いようだ。普段はガレ場の隙間や倒木の隙間にいるようで、見かけるのは専ら人工物か草葉の上。ツチゴキブリ類のように夜間になると盛んに徘徊するタイプのようだ。


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道の脇ではハブ(Protobothrops flavoviridis)が器用に斜面を登っている。

申し訳ないが一旦降りてきてもらおう。


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そこそこ大きな個体。模様もはっきりしており、大きさと美しさのバランスが一番良いタイミングだ。


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ライティングで妙な画質になってしまった。


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ヒメハブ(Ovophis okinavensis)も出ている。小雨が降っているものの気温はあまり下がらず、風も殆ど無いため蛙狙いの蛇にとっては好条件。

 

逆に昆虫にとってはあまり良い気候ではないようだ。
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タイワントビナナフシ(Sipyloidea sipylus)

 

移動するとまたハブ。f:id:polipG:20200114151344j:image

これもそれなりに大きい。

 

そしてまたまたハブ。
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この個体はかなり慌てているようだったので取り敢えず証拠写真だけ撮ってそのままサヨナラ。

 

 

その後、ケブカコフキコガネを探し濡れた林内を歩くも一匹も見られず。雨の影響かライトにも虫が全然来ていなかった。

 

 

 

 

2020年初採集オサ掘り

 

年越し初採集をしよう、と早朝家を発った。

この時期の採集と言えばオサ掘りが挙がるだろう。という訳で行き当たりばったりで某有名遊水池へ。採集で訪れるのは初めて。


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向かう途中で初日の出を見る。

非常に寒い。

 

日が出てまだ時間が経っていないため、あちこち霜が降りてザクザクと小気味よい音がする。しかしこれでは土が氷同然のため、取り敢えず日が昇るまで散歩。


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県境があちらこちらにある。

尚、この画像の場所では全く採集していない。ただ散歩しただけである。念の為。

 

日が昇って漸く気温が氷点下から脱したあたりでぼちぼち散策開始。とはいえ依然風が吹けば凍える寒さだ。

 

まずは乾燥した林内で石や木をひっくり返して歩く。

しかし全く虫がいない。


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立ち枯れの樹皮下からヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)の幼虫が何頭か出てきた。しかしこの場所はこれ以外何も見られず。

 

日が昇って段段と暑くなってきたので移動。今度はもっと湿った場所を探す。

 

水源から離れているものの、粘土質で泥状になっている場所を見つけたので手当り次第またひっくり返す。


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トウキョウダルマガエル(Pelophylax porosus)?

 

木の下や根返りの中から何頭か見つかった。カエルがいるのなら、と期待が持てる。

 

しかし暫く探すもやや肩透かし。アオゴミムシ(Chlaenius pallipes)やナガマルガタゴミムシ(Amara macronota ovalipennis)ばかりで、途中アオオサムシ(Carabus insulicola kantoensis)が一頭出てくるもそれ以降大きな甲虫は出てこない。

 

ひょっとして探す場所が違うのか?と、水に沈んで沼となっている場所にザブザブと移動すると初手でキンナガゴミムシ(Pterostichus planicollis)が出てきた。以前から見てみたいと思っていた虫なのでとても嬉しい。

細い枝に入っていたからか、アオゴミムシなどと比べて動きが活発だったため写真を撮る暇は無かった。

 

キンナガゴミムシを見つけてやっとモチベーションがやや回復。今度は落ちている細い枝を中心に探す。

中身がスカスカなものも多いが、隙間にヒゲジロハサミムシ(Anisolabella marginalis)などが隠れていることも多いため一応探していると……


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思わず「ええっ」と声が出た。

ヒメマイマイカブリ(Carabus blaptoides oxuroides)だ。目標の一つ。

ボウズにならず安堵したが、それより何よりこんなに狭く乾燥しそうな場所に三個体も入っているとは。

腕くらいの太さで中空になっている枝の、節で膨らんでいる部分に潜行していたようだ。成程、こんな所に。

 

その後、根返りなどでもヒメマイマイカブリを追加。なんとか来た甲斐(?)を満たす。

県単位で初ラベルである。知らない場所で狙った虫が見つかると矢張り言いようもなく嬉しい。

 

おまけに最後の最後。切り上げる直前にアカガネオサムシ(Carabus granulatus)も採集出来た。
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特徴的な上翅が格好良い。初採集である。

 

このアカガネオサムシで採集終了。本当は他にも目星を付けていた場所があったが、泥だらけの笹に突っ込んで全身粉を吹いてしまったのと汗だくのダブルでもう動けなくない。

一応目標の虫や初採集の虫も多く採集出来たので良しとして帰路に着いた。

 

初めてだったが、有名産地なだけあって中中楽しい。勿論記事にしている部分の五倍以上の時間は何も見つからずに歩き回っているだけであったが、初めての場所の醍醐味でもある。

今度はヨシ焼きの時に行ってみたい。水系が非常に広く、ポイントは沢山あるはずだ。いずれにせよ、ここは繰り返し訪れることになるだろう。

 

五島と対馬ヒラタ産卵セット

 

昨年九月にセットした福江島産ゴトウヒラタ(Dorcus titanus karasuyamai)と対馬産ツシマヒラタ(Dorcus titanus castanicolor)の産卵セットを確認した。


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……食痕が全くない。

そもそも土が固めたまんまカチカチであり、明らかに産んでいないとわかる。

 

どうしようもないので雌が生きているセットはゼリーを入れ直して再セット。死んでしまったものはやむなく捨てる羽目に。

冬の間、全く管理していなかったので仕方ない。仕方ないがやるせない。うーむ。

 

師走のやんばるロード

 

夕方、北部に用事があって出かけたため、そのまま林道を流した。

風が無く十二月にしては暖かい日だったので蛇が出そうだ。

 

山道を登り始めて早早、道端にポツポツと影。
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オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis)

繁殖期だ。耳を澄ませると、奥に川や池があるのだろう、鳴き声が響いてくる。


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上の大きな個体が雌。下の小さな個体が雄。雄は大きく黄色い、とても特徴的な手をしている。


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これはやらせ写真。

 

同行者がやらせアオガエルを撮っている間、他にもいるだろうと辺りを見回していたらハブ(Protobothrops flavoviridis)が出た。
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非常に小さな個体。というか非常に細い個体。

 

実は十月から二週間に一頭ほどのペースでハブに出会っており、周りの生き物屋に何かと妬まれている。嬉しくなくはないが、本命の虫は乏しい。

 

しかしまあここまで細い個体は今まで見たことがなく、却って珍しかろうと少し張り切っていると今度はヒメハブ(Ovophis okinavensis)が。


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道の脇に積もった落ち葉に座しており、危うく踏むところだった。

 

そしてこの個体も小さい。
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顔が五百円玉より小さい。

 

モンスターハンターシリーズでこんな感じのイベントクエストが屡屡あった気がする。

アオガエル、ハブ、ヒメハブ、アオガエル、ハブ……と路上でやたらめったらに動き回る羽目になった。アオガエルは側溝や壁沿いにも張り付いており、求愛をしている彼らを食べに蛇たちが集まっているのだろう。何の変哲もない林道のカーブだが、上から水が流れてきているため妙なホットスポットになっているようだ。

 

彼らに別れを告げ、少し道を登るとまた蛇の影。


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ガラスヒバァ(Amphiesma pryeri)が轢かれていた。

この時点ではまだ息があり、触れると必死に抵抗する。だが頭を打ち砕かれているようで、もう長くないのは明らか。虚しい気持ちになった。

 

アスファルトの上よりかは土の上がいいだろうと移動した先にはイボイモリ(Echinotriton andersoni)。
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複雑な気持ちになったが、この道がなければ自分達もこんな気軽に生き物を探しに来られないのも事実。

折り合いはつけられないが割り切るより他無し。

 

尚、虫はタイワントビナナフシ(Sipyloidea sipylus)を一個体見たのみであった。

 

 

 

鸇と両爬

冬のやんばる。今年はあのムシの裏年であるため、あまり訪れていなかった。

一応見回りに。

 

イボイモリ(Echinotriton andersoni)
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活動時期では無いと思うのだが、不思議とこのポイントでは十二月から一月にかけての冬の入りによく見かける。


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頭のサイズが五百円玉ほどある大柄な個体。

 

他にも

クロイワトカゲモドキ(Goniurosaurus kuroiwae)
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アカマタ(Lycodon semicarinatus)
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更にもう一頭イボイモリに出会い、道の先はリュウキュウカジカガエル(Buergeria japonica)やヒメアマガエル(Microhyla okinavensis)にも出会うなど、かなり両爬が充実していた。

 

しかし昆虫の姿が薄く、まあ仕方ないかと帰路に着いていると樹上から大きな音がバサバサと響いてきた。

コウモリがいるのか?とライトで探してみると音源が次第に近づいてくる。

 

忙しなくあちらこちらを見渡すと遂に音の主が姿を見せた。

サシバ(Butastur indicus)
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沖縄では留鳥サシバだが、夜に、しかもこんなに近くで見たのは初めてだ。

 

照らされて焦ったのか、堕ちて焦ったのか、眠りについて冷えていた体を上手く動かせないようで更に降りてくる。
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不安定な足場で更に慌てるサシバ

 

どうしたものかと思いつつ、中中近くで見られないとも思いそのまま観察していたら

 

 

遂に地面に。
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大慌てだ。


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威嚇

 


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ごめんねと思いつつ折角なので撮る。

 

 

暫く観察していたら温まったのか漸く飛び上がれた。
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口が半開きのままだったが。

 

 

虫はいなかったものの珍しいものが見られたので、ヨシ。

冬は冬で面白い。