久久のNauphoeta cinerea
ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea)
汚れてきた上、段段と壁が踏破されそうな雰囲気。
そろそろ掃除せねば。
取り敢えず人参。
鳥兜
尾瀬の標高1000mを少し超えた辺りで遠目に紫色の花を確認。
近寄ってみるとトリカブトであった。
全長100cmを超える高い茎の先端には連なる紫色の花。
ミヤマトリカブト(Aconitum nipponicum)だろうか?
まさに「兜」である。
英名では「MONKSHOOD」と呼ぶように、どこでも矢張りこの形は被り物に見えるようだ。
日本三大毒草として有名なように全草に有毒成分を含んでいる。世界の狩猟毒の歴史を調べると北半球の殆どの文化で用いられる程にポピュラで強力な毒だ。
よくニリンソウ(Anemone flaccida)やヨモギ(Artemisia indica)との誤食が注意喚起されている。実際に周囲には多くのヨモギ……オオヨモギ(Artemisia montana)?と思わしき植物が大量に生えていた。
これがトリカブトの葉。
裏は光沢のある、つるつるとした見た目。
こちらはヨモギ。
葉の裏には白い微毛が密集しており、まさにふさふさとした印象。
この時期に見ると表面も全然違う上にそもそも花が咲いているので間違えることは無かろうが、春〜初夏のどちらも草丈の低い時期は流れで摘んで混入してしまうかもしれない。
「葉の裏が白くない」「ヨモギ臭がしない」などから簡単に判別出来るだろうが、念の為この時期に花をよく見かける地帯では野草を取らないのが得策だろう。
トリカブトは非常に辛いらしいが、そこで漸く判明するような事態は勘弁被る。
霧の中のコンビニ
少し前に別件で山梨に行った際、寄ったコンビニで軽く虫を探した。
時期的には充分に虫の姿が期待出来たが、気温18℃の上に霧が深く殆ど見られなかったのが残念。
カブトムシ(Trypoxylus dichotoma)
雌は毛深く、体に霧がまとわりついている。なんやかんやで本州のカブトムシを見たのは今年初めてかもしれない。
ミヤマクワガタ(Lucanus maculifemoratus)
大ぶりな雌。出来れば雄を久しぶりに見たかったものだが、残念ながら見当たらず。やや時期が遅かったかもしれない。
オオミズアオ(Actias aliena)
右の後ろ翅が大きく欠損した個体。鳥に襲われたのだろうか?
雌……個体か?鱗翅目はよく分からない。
顔が可愛い。
これ以外は蛾が数頭居ただけで正直消化不良であった。
虫捕りに来た訳では無いので当然といえば当然。
一本角と二本角
ダイコクコガネ(Copris ochus)採集の際に他の糞虫も何種か採集してきた。
スズキコエンマコガネ(Caccobius suzukii)。
赤錆のような翅を持ったエンマコガネ。くの字の角を一本持つ。
糞や土の中に潜るにはあまりに邪魔になりそうな形状の角だ。何故このような形になったのかと常常疑問に思う。
翅はその色もさることながらよく見ると繊細な模様が見えて美しい。本州に生息するエンマコガネの中ではヤマトエンマコガネ(Onthophagus japonicus)に次いで艶やかであると思っている。
ツノコガネ(Liatongus minutus)
非常に個体数が多い為に却って人気が出ない。そんな風な本種だが、平たい胸にそそり立つ一本の角を備えたその姿は南米のサイカブト属を彷彿とさせる非常に格好良いものである。大型になると体全体が角張ってまるでイギリス戦車のようだ。
……因みに
サイズは大きくて12mmと、矢張りダイコクコガネには見劣りしてしまう。勿論大きさだけが魅力ではないことは昨日の記事で重重確認したが、そうは言っても「デカいはカッコイイ」は否定出来ない。無念。
シナノエンマコガネ(Onthophagus bivertex)
先の二種とは異なり忙しなく逃げ惑う本種はその頭に牛よろしく二本の角を備えている。前胸にピッタリと密着するように生えたその角は潜る際も邪魔とならないようで、隠れている所を暴くと一目散に地面に潜り出す。二十頭程隠れていたとしても、二頭捕まえる間に他の全員が既に潜り込んで見つけられないほどだ。
非常にセカセカした動きで歩き回るので撮れない。
角をちゃんと写すために少しの間捕まえさせてもらう。
力強く湾曲した二本の角は他のどんな糞虫よりも目を引く。これほど大型の個体はそうそう捕れるものでは無く、猛烈に嬉しい。
秋になったら南西諸島でも糞虫の採集をしたいものだ。
大黒様
日本の糞虫では最大である、ダイコクコガネ(Copris ochus)。
採集している時は色色な理由から撮る余裕が無く、帰宅してからの撮影だ。
あまり大きな個体は捕れなかったが、数としてはそれなりに捕れたので一安心。雌と小さい雄は全てリリースしたが、それでもある程度の数が手元に残った。
海外、特にインド周辺では遥かに大きな種も生息しているがこの角の造形は大きさとはまた違った強い魅力の一つだ。それによく見ると目がクリクリとしていて愛くるしい。
丸いお尻を振るように歩く。ツルツルした所を歩くのはとても苦手なようだ。
さいたまBO2018へ
さいたまブラックアウトのため、さいたまスーパーアリーナへ。
別のイベントもやっているようで、上と下でそれぞれの長蛇の列が出来ていた。
今回はやじま系( @yajimak )さんと一緒のブースで出品させてもらう。「ゴキブリおじさん」とは氏のこと。
机の三分の一に配置。最近の相場が分からないため、種によってはかなり強気な値段設定になっているものも。後後修正。
隣にはたった十二時間前にマレーシアから帰国したというTOMMY( @menkata069 )さんの、現地から直送したトゲグモ三種他が置かれた。
自分はトゲグモのツヤツヤとした、まるで高級チョコレートのコーティングのような光沢と色と造形に満ちた胸腹部が大好きで、恥ずかしながら商品にも関わらずテンションが上がって写真を撮りまくってしまった。三枚目の黒いトゲグモが特にお気に入りだ。
イベントが始まると写真を撮っている暇なし。
特に今回は目の前がステージだったため、じゃんけん大会などで人がひっきりなしに行き交うという状況。その分沢山の人が自分のゴキブリに興味を示してくれたが。
購入していただいた方の殆どがゴキブリ飼育を最近始めたと口口に話していて、なるほど矢張りゴキブリの波が来ているな、と謎の納得をするなど充実した一日であった。
イベントが終わると一気に足の疲れがドッと襲いかかり、さいたま新都心周辺で夕飯を済ますとすぐに電車に乗りこみ眠りこけてしまった。
今回買ったのはコレだけ。
最近ダンゴムシに興味が湧き始めている。まだ手を出すつもりは無いが、「まだ手を出すつもりは無い」と言っている時点で足は浸かっているのはお約束である。
実は他にも持ち帰ったモノがあるのだが、それについては後日。