インシグニス転居
インシグニス(Aeluropoda insignis)の幼虫が成長し、活発になってきた。
誂え向きの中プラケに空きが出来たので入れ替えを行う。
本種の幼虫は他のマダゴキの幼虫と異なり光沢が無い。その為か、かなり柔らかそうに見えてつい慎重に扱ってしまう。
加えて他の種と比較して随分と登るため、一度逃げ始めるとやや手こずる。
固く守る事に徹したダンゴムシに対する柔らかく素早いワラジムシのような差といえばわかりやすいだろうか。
輸送完了。
狭い所で少し過密状態で飼育していたからか脚を欠損している個体が多いが、皆元気である。
マダガスカルゴキブリは総じて繁殖に密度を求めるゴキブリであり、どうしても初期は少少無茶な飼育形態になりがちである。あくまて自分の経験だが、マダゴキは二ペア以下で繁殖に成功した試しがない。
こざっぱりして一段落したのでと梨を与えると直ぐに齧り出す。
然し実はこの梨は冷凍していた物で、この時点では未だ解凍されていない。そんなに空腹だったのか……と反省した。
この個体はこの後も暫く齧っていたが、余りの冷たさに体の動きが鈍ったようで転がり落ちていた。それでもめげずに再び這い上がって齧り出す健気な様子を見るとちょっと申し訳なくなる。