豆斑猫
静岡は富士の袂にて、草の上を飛び交う影。
マメハンミョウ(Epicauta gorhami)だ。
毎年静岡に行く度に見かけるが、よくよく考えるとここ以外でまず見かけない。
基本的に群れており今回も二十匹程が飛び交っていたが、それはこの一部分だけであり辺り一帯を歩き回ってみても他に一匹も見つけられなかった。
ついついツチハンミョウ(Meloidae)と比較してしまうが、かなり根本的に違う生活史のようだ。
彼らは何かの蔓植物の葉を食べながら配偶相手を探している風で、朝の八時くらいに活発に飛び回っていたと思えば十二時に再び訪れてみると五、六匹くらいに減っていた。かき分けてみると根元に潜んでいたが。
体液にカンタリジンを持っており、触れただけでかぶれるとして有名な虫だが今まで観察するだけで採集していなかったことを思い出して四匹程捕まえた。
ケースに入れた途端に壁面が黄緑色になったのは食べていた葉の吐き戻しか、それとも。