ポリプPの飼育日記

ゴキブリを飼っている。

まさにゴキブリ算

 

昨年末、ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea)のケースを放置し過ぎたために大量に小蝿が湧き、アンモニアが物凄く発生していた。ただ、その時大掛かりな清掃が出来なかったため、取り敢えず外に出したのだがこれが完全に不味かった。

夜は氷点下になる環境で凡そ一週間の放置。元より熱帯原産にも関わらず、定着しつつある沖縄でも自然下では余り発見されないような種である。寒さには滅法弱いのだろう。

 

結論から言うとほぼ全滅した。

幼虫成虫合わせて五百匹程はいただろうケースの底は死体で覆われ、数匹が辛うじて足先だけ震える程度の悲惨な状況であった。

取り急ぎまだ息がある個体を移したものの、翌日にはその大半が死に、最終的に成長三匹幼虫二匹が何とか餌を自力で食べられる所まで回復した。

 

正直もう諦めており、後悔・反省すると共に新しいコロニーを手に入れる事を考えていた……

 

 

のだが、全くの杞憂となった。

 

 

 
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今現在、五匹のハイイロゴキブリから始まったケースはたった九ヶ月でご覧の有様である。

勿論シェルターの裏にも幼虫が大量に隠れ住んでいるであろう。

 

コスモポリタンの力を侮っていた。と言うより、単純な増殖速度だけならPeriplaneta属すら軽く凌ぐのではなかろうか。卵胎生であるし、日本の冬を越える能力を持っていれば国内でのゴキブリの印象は「黒いヤツ」ならぬ「灰色のヤツ」になっていたのかもしれない。

 

 
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あっという間に裏へ隠れる。

この繁殖力に加えて死体を食べない為、一定期間が経つと取り返しのつかない事になる訳だ。

今後に生かしたいと思うとともに、あまりの立ち直りの速さに寧ろ大切さが損なわれたような気もする。