2020年初採集オサ掘り
年越し初採集をしよう、と早朝家を発った。
この時期の採集と言えばオサ掘りが挙がるだろう。という訳で行き当たりばったりで某有名遊水池へ。採集で訪れるのは初めて。
向かう途中で初日の出を見る。
非常に寒い。
日が出てまだ時間が経っていないため、あちこち霜が降りてザクザクと小気味よい音がする。しかしこれでは土が氷同然のため、取り敢えず日が昇るまで散歩。
県境があちらこちらにある。
尚、この画像の場所では全く採集していない。ただ散歩しただけである。念の為。
日が昇って漸く気温が氷点下から脱したあたりでぼちぼち散策開始。とはいえ依然風が吹けば凍える寒さだ。
まずは乾燥した林内で石や木をひっくり返して歩く。
しかし全く虫がいない。
立ち枯れの樹皮下からヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)の幼虫が何頭か出てきた。しかしこの場所はこれ以外何も見られず。
日が昇って段段と暑くなってきたので移動。今度はもっと湿った場所を探す。
水源から離れているものの、粘土質で泥状になっている場所を見つけたので手当り次第またひっくり返す。
トウキョウダルマガエル(Pelophylax porosus)?
木の下や根返りの中から何頭か見つかった。カエルがいるのなら、と期待が持てる。
しかし暫く探すもやや肩透かし。アオゴミムシ(Chlaenius pallipes)やナガマルガタゴミムシ(Amara macronota ovalipennis)ばかりで、途中アオオサムシ(Carabus insulicola kantoensis)が一頭出てくるもそれ以降大きな甲虫は出てこない。
ひょっとして探す場所が違うのか?と、水に沈んで沼となっている場所にザブザブと移動すると初手でキンナガゴミムシ(Pterostichus planicollis)が出てきた。以前から見てみたいと思っていた虫なのでとても嬉しい。
細い枝に入っていたからか、アオゴミムシなどと比べて動きが活発だったため写真を撮る暇は無かった。
キンナガゴミムシを見つけてやっとモチベーションがやや回復。今度は落ちている細い枝を中心に探す。
中身がスカスカなものも多いが、隙間にヒゲジロハサミムシ(Anisolabella marginalis)などが隠れていることも多いため一応探していると……
思わず「ええっ」と声が出た。
ヒメマイマイカブリ(Carabus blaptoides oxuroides)だ。目標の一つ。
ボウズにならず安堵したが、それより何よりこんなに狭く乾燥しそうな場所に三個体も入っているとは。
腕くらいの太さで中空になっている枝の、節で膨らんでいる部分に潜行していたようだ。成程、こんな所に。
その後、根返りなどでもヒメマイマイカブリを追加。なんとか来た甲斐(?)を満たす。
県単位で初ラベルである。知らない場所で狙った虫が見つかると矢張り言いようもなく嬉しい。
おまけに最後の最後。切り上げる直前にアカガネオサムシ(Carabus granulatus)も採集出来た。
特徴的な上翅が格好良い。初採集である。
このアカガネオサムシで採集終了。本当は他にも目星を付けていた場所があったが、泥だらけの笹に突っ込んで全身粉を吹いてしまったのと汗だくのダブルでもう動けなくない。
一応目標の虫や初採集の虫も多く採集出来たので良しとして帰路に着いた。
初めてだったが、有名産地なだけあって中中楽しい。勿論記事にしている部分の五倍以上の時間は何も見つからずに歩き回っているだけであったが、初めての場所の醍醐味でもある。
今度はヨシ焼きの時に行ってみたい。水系が非常に広く、ポイントは沢山あるはずだ。いずれにせよ、ここは繰り返し訪れることになるだろう。