緑の蝉
七月中旬。この時期にしか出てこない例の緑色の蝉を求めて日暮れから活動開始。
夕方からやや小雨が降っていたため時間の割に既に林道は暗くなっている。昼行性の虫たちももう休憩に入っていた。
ベニモンアゲハ(Pachliopta aristolochiae)?多分。
この辺り未だ不安がある。枯れ枝の先で休んでいた。
カシワマイマイ(Lymantria mathura flavida)
こちらは逆にこれから活動開始といったところ。
まだ目の黒くなりきっていないチョウセンカマキリ(Tenodera angustipennis)の幼虫なんかを見つつ木木を観察していると、綺麗な緑が目に入ってきた。
クロイワゼミ(Muda kuroiwae)
今回の目的。沖縄本島と久米島にしか生息していない、非常に美麗な緑の蝉だ。小指の先から第二関節程度の大きさしかない。
日暮れの一時間程度でしか鳴かない上、基本的に林の木木の高い枝先にいるので中中お目にかかれない。どちらかと言うと基本は鳴いている最中とほぼ同じ時間帯に羽化してくる個体を観察するのがメジャだろう。
この個体も、近くに抜け殻は見つからなかったが恐らく羽化してすぐだと思われる。
また、そこから十数mの場所では丁度羽化中の個体も見つけた。
異様に抜け出る速度が早い。
クロイワゼミが羽化している真下を歩いていたオキナワヒラタ(Dorcus titanus okinawanus)にちょっかいを出していると、
もう抜けきっていた。ある程度抜け出ていたとはいえ十分も経っていないで翅が伸びているとは他の蝉ではまず見られない。
他の蝉と同様羽化直後は全身が蛍光色のような鮮やかな緑だが、目が色付き翅が透き通る以外は基本もうこのままという、矢張り不思議な蝉である。