タイの糞虫料理
タイの土産に屋台で売っていたという虫料理を貰った。ビニールに無造作に入れられたそれは、見たまんま虫の姿を保っていた。
The 糞虫。エンマコガネの仲間が二、三種混ざっているようだ。
立派な角が生えた個体も見られる。
一つ一つは8〜12mmと、日本のエンマコガネと比べるとやや大ぶり。幾つか手に取って口へ放り込む。
噛み潰すと極極普通の虫の味。揚げているのかわからないが、油と出汁が滲み出てきて美味しい。冷蔵庫で保管されていた為、やや上翅などが口に残る。揚げたてならもっとサクサクしていて美味しいだろう。
ただ、飲み込んで暫くすると猛烈な後味が襲ってくる。その香りは完全に糞虫のそれで、牛糞採集している時の情景が脳裏に浮かんだ。恐らくは現地でライトに飛んできたものを掻き集めてそのまま調理しているのだろう。標本にする際は濡らしたティッシュと共にケースに丸二日入れておかないと体中に詰まった糞と体内に残っている未消化排泄物が抜けず、中途半端な時間で作ってしまうと時間が経った標本でも独特の臭いが残ってしまう。
どう考えてもこの糞虫がそんな面倒な手間をかけているとは思えないので、恐らくは中も外も牛糞にコーティングされているのだろう。不潔云云は別に気にならないが、単純に臭いが人を選ぶ。自分も苦手ではないが親しんだ臭いである分、他の人よりは手が伸びない感じ。