11月のやんばる①
久しぶりのやんばる。目的は両爬。
この日は午前中に土砂降りの雨が全島に降り、昼からカンカン照り。そして気温を殆ど下げないまま日が暮れるという、およそ今までに無いほど最高のコンディションであった。虫はあまり期待出来ないが、カエルはきっと沢山出てきてくれているだろう。
脚を踏み入れると早速オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis viridis)
ペタンと地面に張り付いて全然動かない。ふてぶてしい顔をしている。とても好み。
この状態の彼らは殆ど動かないため、掬い上げるようにそっと持ち上げるとそのまま移動出来る。ロードキルされないよう、道の端に離した。
直後にアカマタ(Dinodon semicarinatum)の幼蛇。今まで見た中で最小かもしれない。
可愛らしい。このサイズだと流石に鎌首を擡げて威嚇するような事も無く、シュルシュルと走り回る。
矢張りコンディションはとても良いようで、道端には大量のリュウキュウカジカガエル(Buergeria japonica)が見られた。それを狙うヘビも多い。
暫く進むと次第にリュウキュウカジカガエルの姿は消え、ハナサキガエル(Odorrana narina)が代わりに道に溢れ出す。
彼らは何故か非常に姿勢良く道に立ち、見上げるようにして止まっていた。物音にはとても敏感なようで撮影を試みるも全然撮れず、数の多さと相まって帰宅してから「アレッ、そう言えば撮っていないぞ」と気が付いたほど。次は撮ろう。
そんなこんなで大量のハナサキガエルが跳ねる道を進んでいたらヤケに大きな影がど真ん中に見えた。
またオキナワアオガエルか?と見に行く。
オキナワイシカワガエル(Odorrana ishikawae)
出会ってしまった。
実は今回の一番の目的はオキナワイシカワガエルで、中でも俗に「青イシカワ」と呼ばれる青い個体を探していたのだがそもそもイシカワガエル自体個体数の多いカエルでもない。
加えて
中中に立派なサイズ。
写真の構図が下手で小さく見えるが、8cmはある。まだあともう一回りは大きくなるらしいが、これでも充分余り見ないサイズだ。
彼らもオキナワアオガエル同様、地面に張り付いて動かない。
そっと持ち上げれば大人しく移動出来るのだろうが、オキナワイシカワガエルはアオガエルとは違って触れること自体禁じられている。可哀想だが、後方で手を叩いて渋渋跳んで移動してもらった。
写真には無いが他にもアカマタを数頭見るなど、両生類・爬虫類は開始早早良い調子である。
節足動物はというと、この時期にしてはそれなりに出ているようだが矢張り少ない。
スジイリコカマキリ(Statilia nemoralis)
二頭見られた。
マダラコオロギ(Cardiodactylus guttulus)
葉の上に沢山。
ハサミムシの一種
種類不明。何故かとある林道の長さ10m程のエリアだけ、何匹も走り回っていた。
ミドリスズメ(Pergesa acteus)
クワズイモ(Alocasia odora)の葉の裏。
ホシヒトリモドキ(Asota plana lacteata)
アカメイヌビワ(Ficus bengutensis)を坊主にする勢いでもりもり食べて群れていた。調べるとガジュマル(Ficus microcarpa)やアコウ(Ficus superba var.japonica)を食べると書いてある文献が多いが、それ以外でもイチジク属(Ficus)なら手広く食べるようだ。
まだまだ書くことはあるが、今日のところはここで終わり。
勿体付ける。