渓流下り
やんばるの林道を歩き、その後に渓流へ。
狙いは鳥達だ。
やんばるには多種多様な生き物が生息しており、当然鳥も様様な種類がいるが矢張り特に有名なのはヤンバルクイナ(Gallirallus okinawae)だろう。
国の天然記念物に指定されており、言わずもがなやんばる固有種である。
以前林道で直翅目の採集を行っていた時に木の上にいる個体に偶然出会ったのだが、目の前を通ったにも関わらず撮れずに逃げられてしまった。上はその虚空を写した画像である。
そもそもTG-5はマクロ撮影には非常に強いものの、10m以上離れた被写体を写すには心許なく、鳥の撮影には不向きである。その為今回は写真を撮ることではなく実際にこの目で見ることが目的であり、予め断っておくとこの記事の中に鳥の写真は一枚も出てこない。
昼前からスタートし、県道沿いの林道を進む。
この時点でホントウアカヒゲ(Larvivora komadori namiyei)が道端でピョンピョンと跳ねている姿によく出会った。一応天然記念物なのだが、こう見るとそうは思えない。
まずは林道を尾根沿いに進み、その後で沢に沿ってひたすら下っていくルートだ。沢を挟み込む森林で狙うのはノグチゲラ(Sapheopipo noguchii)
沢。水が澄んでいる。沢自体には生き物の気配は薄い。
Windows10のデフォルト画面のような写真も撮れる。TG-5でもそれなりに様になる。
道中でイシカワガエルの小さな個体に遭遇した。
体長15mmほど。しかしその風貌は既に立派だ。
なかなか逃げない。
左右を迫り出した木木に挟まれると、鳥達の声がサラウンドで聴こえてくる。専らホントウアカヒゲとリュウキュウハシブトガラス(Corvus macrorhynchos connectens)だが、たまにリュウキュウアカショウビン(Halcyon coromanda bangsi)などの声も聴こえる。
そしてここで漸くノグチゲラの姿を確認出来たのだが、直ぐに森の奥へ飛び立ってしまい殆ど観察出来なかった。頭が赤かったので雄の個体だろう。
この画像のどこかにほんの少しだけ写りこんでいる……かもしれない。
そんなこんなで時間が過ぎ、来た道を遡って帰還した。
写真は撮れなかったものの、それなりに色色な生き物を観察出来て非常に有意義だった。普段は夜に昆虫ばかり見ているが、こういうやんばるもとても楽しいものだ。
実は這う這うの体で県道まで登ってきたその丁度目の前にノグチゲラのペアがいたのだが、荷物を置いて完全にくつろいだ状態だったため撮ること叶わず逃げられてしまった……。必ずリベンジしたい。