分解実験
毎年この時期になるとミカンの消費が激しくなる。そしてそれに伴いテレビなどではミカンの皮の活用法として「乾燥させて入浴剤に」などと取り上げられるのをよく目にするようにもなる。
その中に「乾燥陳皮(ミカンの皮のこと)は燻すと蚊などを寄せ付けなくなる」というモノがあった。確かに匂いもキツく、リモネンなどとても昆虫にとって良いとは思えない成分を多く含有しているミカンならば有り得そうだ。以前ミミズコンポストを作った際も、ネギや油っこいものと並んでミカン皮は入れてはいけないものとされていたのを思い出す。
ただ、ネギや油っこいモノは好みはされないもののゴキブリは普通に摂食するし、ミカンの実-正確に言えば砂瓤と瓤嚢-の部分は極極当たり前に摂食している。だからミカンの成分自体は屹度忌避する事は無い筈だ。
まずは念の為実を入れてみる。
画像はデュビア(Blaptica dubia)。全く問題なく食べに来ていた。
皮を入れてみる。
画像はハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea)。他の果物の皮等の様に直ぐに飛びついてくる気配は無い。
だが暫くすると結構集って齧りに来ていた。
四時間程で綺麗に無くなった。林檎や梨と比べると食べるスピードは格段に落ちるものの、特に問題無く食べるようだ。
次はデュビア。
全く見えないが、群がるデュビアの下にはミカン二つ分の皮と三房程度の実がある。
翌日にはこんな状態になっていた。一つの皮は綺麗に食べられており、残された方も所所齧られた跡がある。恐らく乾いてしまったために途中で見限られたのだろう。この皮はその後二日ほど放置したが、結局食べられることは無かった。
結論としては「新鮮な皮であれば食べるが、そこまで好むわけでは無い」といった感じか。そもそも検証したのがたった二種であり、また長期の実験を行わねば悪影響等の確認も出来ないため断言は出来ないが、とりあえず食べることは食べるという事実確認が出来た。
この調子でゴキブリの分解者としての活用法を見出していきたい。