リサイクル
この間インシグニス(Aeluropoda insignis)が脱皮殻をよく食べるという記事を書いた。そこでふと気になったので軽い実験をしてみた。
入れたのはブラベルス・ギガンテウス(Blaberus giganteus)の羽化殻。ブラベルス属は総じて脱皮殻を食べないのでケースに溜まってしまう。
十分ほどで雌成虫が齧りに来た。羽化直後でなくとも充分食料として認識するようだ。
二時間もすると欠片も無くなり、そして別の個体がまた地面で羽化していた。
何故彼らは脱皮殻を食べ、また食べない種類がいるのだろうか。完全変態を行う昆虫では卵や脱皮殻を食べるのはよくあることと聞くが、ゴキブリの場合は脱皮直後も成体同様活発に動くことが可能なので特に食料に貧窮するとは考えにくい。
ということは脱皮殻に含まれる成分自体を欲しているのだろうか。それを補いたいが故に彼らは他種であろうと殻を食べ、またブラベルスなどはその必要が無いから食べないでいるのだろうか。成虫も食べていたということは無理に食べているわけではなく、彼ら自身にとって他と違わない食料として認識しているのだろう。
文献もあまり確かなモノが見つからないため、これは当分の課題として自ら探ってみるしかない。もし殻を食べることで成長の一助となるのであれば、その栄養分が少なくても他種の余り殻を積極的に与えていきたい。