奄美二日目
奄美大島二日目。
一日目は夜の数時間林道を走っただけなので実質一日目のようなものだ。
幸い天候に恵まれ、良い景色が望めた。
湯湾岳。採集禁止のところも多いのでここでは観察だけ。ただ、タイミングが悪かったのか殆ど生き物は見られなかった。
その後は暫く林道を流す。
花は咲いているが虫はあまり集まっていなかった。
朽木をひっくり返してゴキブリを探す。
アマミサソリモドキ(Typopeltis stimpsonii)
結構な個体数が見られた。
クガビルの仲間
イシムカデの仲間がしゅぱしゅぱ出てくる。
渋い。結構好きなフォルムだ。
アオズムカデ(Scolopendra subspinipes japonica)
こっちもアオズ?
トビズムカデ(Scolopendra subspinipes)
ムカデの類がかなり多かったがゴキブリは少なく、オガサワラゴキブリ属(Pycnoscelus)とヒメチャバネゴキブリ(Blattella lituricollis)をちらほら見る程度。
その後も散策を続けるが芳しくない。
ギンリョウソウ(Monotropastrum humile)が咲いていた。
夜に見に来ればゴキブリが来るかもしれない。
3月奄美大島遠征
那覇からフェリーに揺られること十三時間、奄美大島は名瀬港に到着。小雨が降る。
那覇七時発だったため、名瀬に着いたのは二十一時。
先に到着していた友人のレンタカーに迎えに来てもらい、早速そのままフィールドへ。
林道を流していると早速大きな影。
アマミイシカワガエル(Odorrana splendida)
奄美大島で初めて会ったカエルがイシカワガエルとはかなり嬉しい。
でっぷり。
一番良いコンディション。
林道脇の草地に雨で水溜まりが点点と出来ていた。
もしや?と思い覗くと案の定。
ヒメハブ(Ovophis okinavensis)
沖縄本島の個体より赤みが強く、鮮やかだ。
近くにはサワガニの仲間もいた。種類は不明。
民家の近くではコワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae)。
それにサツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)か
加えて種類不明のマイマイの仲間。
誰だろう。
流石に到着した当日は休もうということで日付が変わる頃には宿へと向かった。
南大東島の思い出
南大東島二日目。あまりにも虫が見当たらないため完全に採集を休憩して適当に島をブラついていた。その時の記録。
貯水池。大東島は両島海洋島である上、小さく平たい島であるため水源がほぼ無い。故に島中で貯水池が見られる。
種類はわからないが水鳥が集っていた。ただ写真を構えた瞬間に飛び立たれ、シャッターが切られた時にはもういなくなっていた。結構離れているのに凄い視力だ。
沖縄海。
曰く「大東島で唯一沖縄らしい海」だそうだ。どこも切り立った崖である大東諸島において海抜0mでタイドプールが存在する場所は確かにここしかない。降りてみたかったが残念ながら海が荒れていて封鎖されていた。
上から眺めると荒荒しい波で波打ち際は真っ白になっており、確かにこの状態で入ったら瞬く間に持っていかれてしまうだろう。浜が無い海は命を刈り取る姿をしている。
沖縄海傍の道を進むと石碑が見えてくる。
沖縄県最東端の地だそうだ。
晴れていたが風が非常に強く、すぐ下が崖ということもありややスリリング。
因みにすぐ後ろは南大東島空港の滑走路。
写真は消えたが、星野洞も訪ねた。鍾乳洞にしては暑いという印象が強かった。
夜に大東寿司も食べた。非常に美味い。非常に美味いが、魚がなんだったか……。
ダイトウヒラタ
前回の続きだが、画像は無い。
非常に無念。
天候不順により、二泊三日の予定が三泊四日に延びたため、最終日と思っていた三日目に余裕が生まれた。
炎天下の下、入っていない薮を見れば進んで木を探す作業。だがその木自体が少ない。
北大東島に比べれば「森」が存在しているとは言えるが、それでもどうしても乾燥しきっている印象が強い。クワガタ屋の知り合いが言うには湿った、クワガタのいるポイントがまさに点在しているようだ。
そもそも材割の経験がほぼ無く、また気力も無かった自分は基本的に倒木をめくっては手で解してみるという探し方を繰り返す。しかし大抵はオオズアリの仲間が既に侵入している。
畑脇には2m感覚で土が一列に盛り上がっており、どうやらオオズアリのスーパーコロニーが地中に広がっているようだった。歩いた限りだが、2km以上に渡って巣が続いていた。
午後二時頃。一番暑くなってくる時間にへこたれて草陰へ。
落ちている枝を適当にポキポキ負ってダイトウマメクワガタ(Figulus daitoensis)を探していると突然巨大な白い物体が転がり落ちてきた。
ダイトウヒラタ(Dorcus titanus daitoensis)だ。
興奮して写真を撮りまくったが、TG-5でしか撮らなかったために一枚も残っていない。悲しい。
自分の前腕程度の、1mもない枝だったため完全に面食らってしまった。刺激したからか枝の中からアリが大量に出てきており、乾燥もしているし細いしでよく今まで生き残っていたものだと感心してしまった。
その枝含めて周囲を探すも結局追加は無し。その後夕方まで探して一本の巨大な倒木の脇から五頭追加し、終了した。
以上が南大東島採集の記録である。
時間が経っている上、何より画像が消えてしまったのがとても痛い。加えてゴキブリもクワガタも芳しくなかったし、それ以外の生物についてもあまり探しきれなかった。またいずれリベンジに行くだろう。
画像が一切無いのも寂しいので家に帰ってからセットしたダイトウヒラタの画像を。
恐らくもうそろそろ羽化してくるものもいるだろう。楽しみである。
南大東島
南大東島。
実は、画像データが殆ど飛んでしまった。
TG-5で撮影した画像が消えてしまったため、スマホで撮った写真しか残っていない。
それに、ペースが遅いと思うので淡淡と書き切りたい。
ダイトウヒラタ(Dorcus titanus daitoensis)の死骸。
色色回って計三頭分見つけたが、結局成虫には会えなかった。
2日かけて彷徨いてもダイトウヒラタは見つからず、ただ只管に色んな産地のダイトウマメクワガタ(Figulus daitoensis)が集まるばかり。おまけにそれ以外の虫……特に鞘翅目が見つからないときて気持ちも沈む。
島中に仕掛けられているタイワンカブト(Oryctes rhinoceros)用のトラップを覗き込んで気を紛らわせたりしていた。
途中、タイワンカブトにしてはやけに小さい糞が倒木の下にまとまっていたため、ダイトウヒラタとは言わずともハナムグリ系の何かの幼虫がいるのではないかと期待したが結局何も出ず。
夜に徘徊しても依然としてカエルが歩くばかりである。
ただ北大東島では一匹しか見られなかったリュウキュウモリゴキブリ(Episymploce sundaica)は、南大東島ではそれなりの数が確認できた。
畑地帯の地表でよく見られる。
成虫・幼虫含めて採集したが、残念なことに累代出来ずに死んでしまった。
北大東の他の蟲たち
朽木をひっくり返すと高確率でタイワンオオムカデ(Scolopendra morsitans)が出てくる。
そこら中と言って差し支えない。噛むことはあまりなく、毒もそんなに強くないとは言うものの突然飛び出されると流石に驚く。ゴキブリなどの昆虫が隠れ家にしている朽木は格好の餌場なのだろう。
北大東島は島の中に輪状の丘があり、その外部と内部でやや雰囲気が違う。丘の内側を散策すると鱗翅目がちらほらと見られた。
リュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis)
ニシキヒロハマキモドキ(Nigilgia limata)
ツシマモンシロモドキ(Nyctemera adversata)
海洋島とは言え、飛翔能力の高い昆虫は自然分布でも入ってくるのだろうか。それとも彼らも人間と共に入ってきた類なのだろうか。
ミツバチ
……わからない。半翅はそこまで飛翔能力が高そうには思えないが。
種名が無いものは後で追記します。