浦添散歩
久しぶりに浦添大公園へ。
特にコレと言った目的は無いが、まあゴキブリ共共土壌棲の生き物を見に。
このような浸食された穴に植物が生え、生き物が住み着いている様子が見ていて楽しい。
あちらこちらにオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)。
沖縄のオカダンゴムシは本州に比べると圧倒的に速く、また丸まり続ける個体が非常に少ない気がする。このような防御と逃走の反応が偏る傾向は他の昆虫などでも見られ、基本的に直ぐ逃げる親から生まれた子は直ぐ逃げるようになるので何かしらの選択が働いているのだろう。
こちらはよく似ているがタマヤスデ。種類は分からず。
他にも落ち葉の下にはサツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)やフタテンコバネゴキブリ(Lobopterella dimidiatipes)なども見られた。
やんばるライト巡り
北部でライト巡り。
今回は鱗翅好きの友人と。
セスジスズメ(Theretra oldenlandiae)
どうも関東の感覚でいるとこの時期に幼虫がわさわさと歩いている状況に面食らってしまう。
クスサン(Saturnia japonica ryukyuensis)
別の場所ではオキナワネブトクワガタ(Aegus laevicollis nakanei)の死体を拾った。
中中の大きさだ。
オオクワガタ(Dorcus hopei binodulosus)にも引けを取らない顎の格好良さ。
後はタイワンクツワムシ(Mecopoda elongata)。
体に赤みがかかっている個体。
鱗翅好きの友人はそれなりに色色見られたようだ。ゴキブリは芳しくなかったが、こういうのも良い。
謎ゴキ
北部の明るい林床で見かけたゴキブリ
「お、モリチャバネゴキブリ(Blattella nipponica)だ」と思って捕まえてみたものの、良く見ると何かが違う。
誰だろう。
腹部に赤みが差している。
ゴキブリ仲間(そんな仲間がいる所には実はいる)に訊ねても明快な答えは無く、強いて挙げるならキスジゴキブリ(Symploce striata)に似ているな、という感じ。
しかしキスジゴキブリも、ヤエヤマキスジゴキブリ(Symploce yayeyamana)も本島には生息していない……事になっている。
国内外来は難しい気持ちだが、もし生来の分布だとしたら少し嬉しい。
……まあ十中八九、他種の模様が少し変わっただけの個体であろうが。
それでもこういう新しい喜びはいつ感じても楽しいものだ。どうにか成虫にまで順調に育って欲しい。
[12/29追記]
どうやらリュウキュウモリゴキブリ(Episymploce sundaica)のようだ。まだ出会ったことがなかったため、わからなかった。国内のホソモリゴキブリ属は二種だけであると以前耳にしたが、現在はどうなっているのだろう。
毛深い
昼過ぎに傘を忘れて走っていると、雨に濡れる地面に茶色い物体が落ちていた。
取り敢えず拾ってそそくさと屋根の下へ。
残念ながら直前に誰かに踏まれたようで、辛うじて息はあるものの風前の灯火。
可愛らしい顔。前胸は割れてしまっている。
そしてこの特徴的な腹面。
ケブカコフキコガネ(Tricholontha papagena)の雌だ。
十二月から発生とはいえ、まだ上旬な上にここ数日は蒸し暑いと言っても過言ではない状況だったのに出てきてしまったようだ。
長い毛。目もかなり大きくてクリクリしている。
実は初めて出会った。初めてが踏まれてしまった個体というのは少し悲しいが、嬉しい。中南部の、しかも人が多いような環境での雌は非常に珍しいそうだ。
しかし種小名の papagena とはなんなのだろう。あの『魔笛』のパパゲーノなのだろうか、と考え込んでしまった。どなたかご存知であれば教えて下さい。
タイの糞虫料理
タイの土産に屋台で売っていたという虫料理を貰った。ビニールに無造作に入れられたそれは、見たまんま虫の姿を保っていた。
The 糞虫。エンマコガネの仲間が二、三種混ざっているようだ。
立派な角が生えた個体も見られる。
一つ一つは8〜12mmと、日本のエンマコガネと比べるとやや大ぶり。幾つか手に取って口へ放り込む。
噛み潰すと極極普通の虫の味。揚げているのかわからないが、油と出汁が滲み出てきて美味しい。冷蔵庫で保管されていた為、やや上翅などが口に残る。揚げたてならもっとサクサクしていて美味しいだろう。
ただ、飲み込んで暫くすると猛烈な後味が襲ってくる。その香りは完全に糞虫のそれで、牛糞採集している時の情景が脳裏に浮かんだ。恐らくは現地でライトに飛んできたものを掻き集めてそのまま調理しているのだろう。標本にする際は濡らしたティッシュと共にケースに丸二日入れておかないと体中に詰まった糞と体内に残っている未消化排泄物が抜けず、中途半端な時間で作ってしまうと時間が経った標本でも独特の臭いが残ってしまう。
どう考えてもこの糞虫がそんな面倒な手間をかけているとは思えないので、恐らくは中も外も牛糞にコーティングされているのだろう。不潔云云は別に気にならないが、単純に臭いが人を選ぶ。自分も苦手ではないが親しんだ臭いである分、他の人よりは手が伸びない感じ。
材採集
朽木を探しに昼からやんばるへ。
リュウキュウクチキゴキブリ(Salganea taiwanensis ryukyuanus)と、後はルイスツノヒョウタンクワガタ(Nigidius lewisi)を見たい。
林道を走りながら開けていて、かつ湿っている所に落ちている朽木を探す。開けているのを探しているは単純に作業が楽だから。
前日に雨が降ったため、若干湿り気の判定が面倒くさいが取り敢えず良さそうな木を見つけた。
早速ひっくり返す。
タマヤスデの一種
やんばるで一番よく見かける種類……だと思う。そもそも何種が生息しているのか把握していないが。
リュウキュウクチキゴキブリの尻。十頭ほど確認。
それと
クワガタの幼虫。
環境的にルイスツノヒョウタンクワガタか、或いはオキナワネブトクワガタ(Aegus laevicollis nakanei)か。
好きな虫ではあるが、流石に持ち帰って飼育する程では無い。
近くの木にオオシマゼミ(Meimuna oshimensis)。
綺麗なセミだ。
以上で終了。11月は偶然出会う虫の数が少ない事を実感。
漫湖遊覧
漫湖に行った。実は初めて。
思っていたより一望出来る場所が無かった。
そして思っていたより大きい。
自分のイメージしていた湖となんか違うのはマングローブ林のせいだろうか。
聞いた話によると景観保護かなんだったかでマングローブを植えたところ、想定外に殖えてしまって収集がつかなくなっているとかなんとか。流入する河川を遡上するようにマングローブが侵食しているのを見て、確かにそうなのかもしれないと感じた。
橋の下の波打ち際で育つマングローブ。国内外来所ではない。県内外来と言うべきか?
森林学は全くわからないので迂闊な事は言うべきではないが、マングローブの繁殖力の強さは実感出来た。
付近に沢山の穴。主は確認出来ず。
湖をぐるっと囲む歩道沿いには様様な花が植えられているのだが、中に少し気になるものも。
アデニウムらしき植物。
こっちはプヤ?
それと
フェルニア・シュナイデリアナか?
花が咲いていた。
以上。
ミフクラギ
11月も後半になり、植物の雰囲気も変わってきた。
しかしそこは沖縄、関東のような枝木だらけの光景にはまずならない。
ミフクラギ(Cerbera manghas)
別名:オキナワキョウチクトウ。熱帯〜亜熱帯の常緑広葉樹。
うちなーぐちで「目脹木」。この木の汁が付いた手で目を擦ると腫れることから付いた名前だそうだ。
正直キョウチクトウ科の樹液が目に付いて腫れる程度で済むとは思えないのだが。
ミフクラギは常緑低木だからこの時期でも青青とした葉を茂らせている。ただ、真夏に乾燥すると葉を落としてしまうため、場所によってはそこまで茂っていない木もある。
この木は九〜十月頃に青い張りのある実を付け、熟すと黒くなって落ちる。
この木も、下に大量の実が落ちていた。
果実はかなり大きい。繊維質で軽く、海岸によく生えている所からも海流で分布を広げているのだろう事がわかる。
無理やり剥ぐと中から種が一つ出てくる。
立派な種だ。
何故か空豆の鞘のような匂い。
調子に乗って十個程持ち帰ってしまった。
折角だから蒔いてみようと思う。