Snakes in Northern Okinawa
四月の夜のヤンバルに行ってきた。
はい邪神。
前の晩に土砂降りの雨で昼は快晴、そのままあまり気温が下がらずに夜という非常に両生類にとって好ましいコンディション。つまりそれらを捕食するヘビも多いという事。
山の方に進めばすぐに路上に跳ねる影。
ヒメアマガエル(Microhyla okinavensis)
非常に鈍感で、触れるまで逃げようともしない個体が多かった。
ハロウェルアマガエル(Hyla hallowellii)
鳴嚢が破れそうなほど透明感がある。
オキナワアオガエル(Rhacophorus viridis)
路上に堂堂と鎮座していた。5cm程度まで近づいても逃げない剛胆な個体。
他にもリュウキュウカジカガエル(Buergeria japonica)やハナサキガエル(Odorrana narina)もいたが、前者はなんとなく撮り忘れ、後者は撮る間もなく逃げられてしまった。
そして当然ヘビもいる。
ヒメハブ(Ovophis okinavensis)
30cmほどの個体。側溝の落ち葉をかき分けると出てきた。80cmほどの個体を以前見たことがあるが、太短い風貌はツチノコの想像図を彷彿とさせる代物であったことを強く記憶している。野外では会いたくないが、太さの際立った個体をまた見たい。
ハブ(Protobothrops flavoviridis)
路上を徘徊している所を発見。50cmに満たない。 非常に鮮やかな色と激しい気性は、亜熱帯の森に相応しく感じられる。
リュウキュウアオヘビ(Cycophiops semicarinatus)
道を横切っていた所を発見。80cmオーバーの成熟した個体のよう。ミミズ食で有名だが、一応カエルも食べなくは無いようだ。
アカマタ(Lycodon semicarinatus)
ちょっとビビっていたので焦点が微妙に合っていない。こちらも80cm程度だが、リュウキュウアオヘビよりも随分と細いので受ける印象が大きく違う。無毒と言えど気性が荒く、何度か噛みつかれかけた。
こっちは幼蛇。
ガラスヒバァ(Amphiesma pryeri)もいたのだが、写真を撮り忘れていた。
一番本命であったハイ(Sinomicrurus japonicus boettgeri)は残念ながら邂逅できなかった。だがチャンスはまだまだあるので諦めずに探していきたい。
沖縄散歩
一日暇だったので近所をぶらつきつつ、林の中の石を引っくり返したりなどしていた。
オキナワマドボタル(Pyrocoelia matsumurai)の幼虫だろうか?
中くらいのアフリカマイマイ(Achatina fulica)
殻は幾つもあったが殆どが空で、エピフラムが張っているのは初めてであった。
それとサツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)とオガサワラゴキブリ属(Pycnoscelus)の一種。幼虫のみの為、オガサワラゴキブリ(Pycnoscelus surinamensis)なのかリュウキュウゴキブリ(Pycnoscelus ?????)なのかは不明。暫く飼育してみて、成虫が出てから判断したい。
こちらはまた後日改めて更新する。
アトロポス引越し
アトロポスドクロゴキブリ(Blaberus atropus)は引越しの常連と言える。体の大きさの割に殖える速度が尋常ではないのだ。流石は餌用に用いられるだけのことはある。
時間が無かったので作業風景は割愛。デュビア(Blaptica dubia)が入っていた衣装ケースを掃除し、ベアタンクに卵パックといういつものセットで仕切り直し。
餌をやると瞬く間に群がる。こちらは取り敢えず大きめの個体をザカザカ移動させた為、成虫が目立つ。
そしてこちらは溜まっていたマット部分を詰めたケース。一齢から三齢までのかなりの数が入っている。
広い環境は矢張り好影響を与えるようで、翅のよく伸びた新成虫が増えた。売りに出せる位である。
カブトガニローチとドミニカローチは何が違うのか。
現在飼育している
ドミニカローチ(Hemiblabera brunneri)
彼らによく似ている種としてカブトガニローチがいる。自分は飼っていないし、飼ったこともない。
今までなんとなく区別として感じていたのは
・ドミニカの方が大柄
・カブトガニの方が体に対して脚が長い
・カブトガニの方が縦長
・カブトガニの方が赤みが強い
というぼんやりとしたもの。しかしこれも疑わしくなってきた。
まず、基本的にGoogle検索で出てくる、様様なサイトに掲載されている「カブトガニローチ」と「ドミニカローチ」の写真では差異が見られない。
まあこれは昆虫に限らず良くあることで、一見全く同じに見えるのに体のある一部分がほんの少しだけ異なっていたり、或いは体の構造は全く同じなのに生態が異なっていたりする事例は頻繁に見つかる。
ただ現状そのような差異は感じられない。
また、基本的にカブトガニローチ/ゴキブリとされるゴキブリの学名がHemiblabera.spと表記されているのが目立つ。ドミニカローチも同様で、そもそも明確な種の判別が成されていないようだ。
では国外ではどうかというと、Hemiblabera属には基本的に
Hemiblabera brunneri
Hemiblabera tenebricosa
の二種が流通しているようだ。
それぞれの画像を調べてみると
Hemiblabera brunneri
https://www.biolib.cz/en/taxonimage/id185240/
Hemiblabera tenebricosa
https://www.biolib.cz/en/taxonimage/id227783/?taxonid=910548
…………??
正直な所、分からないというのが本音である。
まずこのサイトの信憑性自体確証が無いのだが、情報量の多さではネットのフリーサイトで得られるものとしてはトップだろう。ただ、画像がこれだけ、しかも片方は細部が見えるように撮影されていないという時点で区別は無理に近い。
挙句の果てには他に列挙されていたH.capucinaやH.granulata、H.pabulatorに至っては画像すら見つからない。これらに関して書かれたページは存在するので、まあ一応種として登録されているんじゃないの?程度。
ギリギリH.tristisはホロタイプ標本の画像が存在したが、それにした所でドミニカローチと比べて腹部節がややトゲトゲしている……かな?程度の差異である。
この辺りでもう諦めがついた。
結論:多分違う種なんだろうけどどっちがどっちかわからない!
根性でH.brunneriとH.tenebricosaの画像検索結果をじっくり見たところ、なんとなーく前者の方が赤みがかっているような気がする、ので、以降はH.brunneriをカブトガニローチ、H.tenebricosaをドミニカローチと呼ぶ事にする。あくまでもここだけのルール。
まあ趣味の範囲でなら混同しても仕方が無いし、こんなに似ているのだから仮に一番最初は区別されていたとしても最早現在流通している個体はほぼMIXだと考えるのが妥当なのではないか。
何よりこの状況を生み出しているのが現地ドミニカ共和国の輸出制限なのであって、もう学術研究として許可を得てワイルド個体を採集し、遺伝子レベルで検査する。そして国内に流通している種がどれに近いのかを検査するより他ないと思う。
取り敢えずこのブログに登場したHemiblabera属は全て「ドミニカローチ」で「Hemiblabera tenebricosa」という事にします。今までの表記も後後訂正していきます。
以上!