ゴキブリとメロン
久しぶりにメロンを食べた。小ぶりだが身が詰まっており、甘くて美味しいメロンであった。
しかし長く置きすぎたせいか、一口食べた瞬間に鼻腔へ突き抜ける強烈な酢酸エチル臭。
普段は皮ギリギリまで食べるのだが、流石に今回は限界を感じて早早にギブアップ。残りは刻んでゴキブリ達にあげることとした。
刻んだメロン半玉分の皮と、種+わた。
わたの糖度はかなり高く、当然水分も多いため物凄く腐りやすい。本当はあげないほうが床材に良いのかもしれないが、貧乏性が染み付いてしまっている。
ジャイアントウッドローチ(Archimandrita tesselata)
普段ののそのそとした歩きが嘘のように駆けつけてきた。そもそも彼らはゴキブリの中でも特ににおいを嗅ぎつけてくる能力が高いように思える。常に土の中にいるために嗅覚頼りの生活を送っているのだろうか。
アトロポスドクロゴキブリ(Blaberus atropus)
彼らもよく食べる。最近安定して殖えてきたので、これからどんどん消費する勢いは高まっていくだろう。
しかしここでやや問題が発生した。
左からサツマゴキブリ(Opisthoplatia orientalis)、インシグニス(Aeluropoda insignis)、ギガンテウスドクロゴキブリ(Blaberus giganteus)。
これらは明らかにメロンを認識しているにも関わらず、全く食べようとする素振りを見せなかった。十数分眺めていても動きは無い。
棚へ戻した後、やや齧る個体も見られたが直ぐに離れてしまった。部屋が明るいからかもしれないが、明日確認して食べていないようであったら腐る前に取り除かねばなるまい。
気を取り直して、次はトルキスタンローチ( Shelfordella lateralis)
三十秒で
この有様。いつも通り。
だが忘れてはいけないのは、彼らは餌に飛びついてきているわけではなく、そこにいる殆どが餌へ向かう他の個体に興奮して走り回っているだけということだ。お祭り基質なのかじっくり見ているとどの個体も少し齧っては走り、また戻って齧っては走りと繰り返している。それに加えて小型のゴキブリなので実際の消費量は少ない。無反応よりは遥かにマシだけれど。
最後はやはりデュビア(Blaptica dubia)だ。
基本的になんでも平らげてくれるので、新しい食材を試す時もここだけは安心感がある。
餌容器として使っていたトレーが古びてボロボロになってしまったため、この機に新調する。
スーパーで売っている豚バラ肉が入っていたごく普通のトレー。
もみぢを注ぎ、
メロンを置いて、
更にもみぢを注いで種とわたを振りかけて完成。もみぢは思っているより水分を吸収するので、水さえ振りかけておけば普段の飼育でも給水所は必要ない。
直ぐに匂いに釣られてやってくる。
よく見ると種を齧っている。メロンの種子は柔らかいので、嗜好性は高そうだ。
ドクロの系譜
アトロポスドクロゴキブリ(Blaberus atropus)
全体に草臥れた雰囲気が漂う。
それもそのはず、彼らは既に羽化して二年が経過しようとしているロートルのゴキブリなのだ。だがまだ餌がくれば触角を振りながら食べに行く程に元気である。
餌は人参の皮。
人参はほぼ全てのゴキブリに好まれる、栄養価の高い良い飼料だ。水分補給も出来る上、草食動物用のペレットに比べると黴に覆われにくい。(湿度によるが)
皮も蒂も葉も食べる。湯掻いてもいいが、生で充分。Periplaneta属からPanestbia属まで幅広い種に利用できる。
そんな魅力的な餌なので、入れれば直ぐに集まってくる。幼虫も色色なステージが揃ってきた。恐らく親達はそろそろ幕を閉じるだろうが、その血は確実にこの仔らに継がれている。
謎の飛行物体
今朝、寝起き早早喧嘩しているインシグニス(Aeluropoda insignis)を宥めるためケースを覗くと謎の白い物体が妙な軌道で飛行しているのを目撃した。
大きさは5mm程度だが、ケースの中空を八の字や円を描くようにひたすら飛んでいる。
「変なハエでも湧いてしまったのだろうか」と思い、考えを巡らすこと数秒。余りにも馬鹿馬鹿しい答えに思わず笑ってしまった。
なんてことはない。砕材マットの欠片がインシグニスの触覚の先端に付着し、その触覚を振り回す動きに沿って移動していただけ。
寝起きで頭が回っていなかったことと眼鏡をかけていなかったことの二つの要因のせいで阿呆らしい勘違いをしてしまった。
気が付いた直後に欠片は振り落とされてしまったため、画像は無い。
さて、そのインシグニスだが最近少し問題が発生している。
これが現在飼育しているケース。
何故これなのかというと、先日糞尿に塗れた餌からコバエが湧いてしまったため急遽乾燥させるために砕材マット+100円ショップの虫かごに移動させたのだ。これで蛆がケース内を這うようなことは無くなった。
しかしハエは治まらなかった。むしろ増加したように見受けられる。
ケース内に見える黒い点はほぼ全てコバエ。
通気性のいいケースは必然的にコバエの侵入に対して無防備なケースである。
だが、そもそもコバエの発生源だと思われたケースを絶ったハズであるのに未だ増加傾向にあるということは、つまりインシグニスのケースは根源ではなかったということだ。
彼らの体臭と言えば良いのか、その飼育ケースから放たれる独特の臭気はかなり酸味が強いもので、発酵臭に似ていなくもない。恐らくこの臭いにつられたコバエが集っているのだろう。
となるとインシグニスのケースでコバエを対処しても何の意味も無いということになる。湧いたコバエ成虫はその都度処理するとして、発生源となっているケースを突き止めねばならない。
とは言っても実は既に検討はついているのだが、時間と場所、それと移動先のケースの関係上大掛かりになりそうなので未だ着手出来ていないのが現状。早めに片付けます。
グロウスポットローチ成長確認
グロウスポットローチ(Lucihormetica verrucosa)のケース内に新成虫がチラホラ見受けられるようになってきたので一度引っくり返すことにした。
前回確認したのは三ヶ月程前であったが、明らかに全体が黒くなっている。全ての幼虫が四齢へと成長しているのだ。
そしてこのゴキブリはその成長の度合いが分かりやすい。
これはつい先日四齢になったばかりの幼虫。背中の模様が良く見える。
これが時間が経つにつれて段段とくすんで茶色に変色してくる。というのも、連日マットに潜り込むために体の白い部分が染色されていく為である。
雄の成虫はもっと分かりやすい。頭の白い二つの点がこの個体は茶色になってきている。因みにこの個体はここにいる全ての個体の両親の片割れ。かれこれ成虫のまま16ヶ月も生き続けている。サイズの割には長命だ。
そしてこちらが先日羽化した新成虫。頭の点も然る事乍ら、体の脇の白いラインもまだ真っ白なままだ。本当は腹側を見るのが分かりやすいのだが、暴れて中中撮影させてくれなかったため断念した。
彼らが掘り進めた朽木は、半分砕いて床材に混ぜ、残りを埋め込む。これが完全に粉砕された頃が床換え時期の目安としている。
朽木から剥離した樹皮は取り除いて乾燥させておき、地表性のゴキブリのセットに回すと効率が良い。
久しぶりの更新
明けましておめでとうございます。
お久しぶりです。
未だにパソコンは復旧しておりませんが、何も更新しないというのは嫌なのでスマートフォンから更新します。
衣装ケースの中に見慣れない色を発見。
覗いてみるとジャイアントウッドローチ(Archimandrita tesselata)が羽化していた。F1の羽化はこの個体が初めてとなる。
純白だが厚みがあるためそこまで弱弱しい印象は無い。頭部に既に模様が浮き出ているのが美しい。
流石脱皮殻も大きい。
彼らは殻を食べるのだろうか?今迄掃除しても抜け殻を目にした試しが無いので恐らくは食べるのであろうが、出来ればこの目で確認したい。
暫く観察していると床材の中から這い出てきた幼虫数匹に集られていた。齧られないかと用心深く見ていたが、少なくともそんなつもりは無さそう。だがしきりと触角で羽化個体の全身を撫で回していた。矢張り表面の物質の感触や匂いに違和感を覚えるのだろうか。